『自分の頭で考える』ことの意味は変わった
2011/11/29
自分の頭で考える、というのはこれまでは主に、客観的に見ても本当に合理的な答えを知るために与えられた情報を鵜呑みにしないことだった。
高度情報化社会では他の誰でもなく己が何を求めているかに真摯になることがむしろ自分の頭で考えるということになってくる。
すでにある程度合理的な答えが決まっている問題、例えば言われたことをそのまま受け入れて実行すると経済的に不利益を被るような場合、多くは正しい答えを導くための情報を持っているかで決まる。あらゆるリファレンス的なものも含めて基本的で重要な情報は簡単に手に入るからハードルは下がってきている。
社会が複雑になってくると答えを主観的に評価するしかない場面が多くなる。客観的にみて合理的な答えを出すのに必要なパラメータが多すぎたり、多すぎるがために主観に大きく依る、そういう構造の問題が増えるから。社会の構造と価値観が複雑多様になるにつれて答えを出すために自分で定義すべき要素は多くなる。
自分が何を求めているのかを突き詰めて意識下に置いていなければ、ある問題を考えるのに肝心な要素を知らない間に他人に委ねてしまう。
このことに成功した人がこれからの時代を豊かに生きていける。